top of page

コロナウィルスPCR検査1年を振り返って

  • 2022年3月11日
  • 読了時間: 6分

更新日:7月26日

2022年3月6日、当院のPCR検査は1周年を迎えました

令和2年12月、コロナウィルスが全国を席巻するようになってきたあの時期に、山添村でも初の感染者が発生しました。 私は、その患者さんが初めて当院を受診されて、まさか、感染とは思いもせずに診察を始めました。 念のために実施した抗原検査が「陽性」を示した時、自分の眼を疑ったくらいです。 すでに発熱テントも設置し、感染防御態勢も整えてはいたものの、まだまだ手探り状態でした。 あの頃は、まだPCR検査は外注に頼っておりました。 外注するために、慣れない作業に時間を費やしました。 ちゃんと結果が判明するまで、二日以上要しました。 こんなことでは、診療にならない! それが私の初体験の感想です。 この第1号患者さんを経験して、私は、野村医院にPCR装置を導入すると決意。 内外の感染状況を鑑み、自前のPCR検査体制を構築しなければならないと痛感したからです。 知り合いの医師仲間から助言をいただき、米国Abbott社製「ID NOW」という装置を購入しました(下の写真)。 県の補助金を活用し、令和3年3月6日から稼働しました。 この装置を選定した理由。それは、世界で最も迅速(10分間)に結果を出せるという性能です。

◆発熱患者さんを、待たさないで診察する。

◆コロナか否かの診断を、その場で患者さんに説明する。

こういう診療体制こそ、「コロナかもしれない」という不安を抱いた発熱患者さんに最も提供したいものでした。 そうでなくても、患者さんが熱があり困っているのですから、迅速が一番です。 私自身も、診た患者さんが感染しているのか否かが、その場で分かる方が、ストレスの度合いが全く異なります。 現在、野村医院でPCR検査を受けた場合、問診からお薬を渡すまで30分も要しません。

Abbott社のID NOW コンパクトで場所をとらない。軽くて持ち運べる。場合によっては、施設や患者さん宅にも持参可能。 試薬も一つにまとめられているので、保管も楽。廃棄も簡単。 この近辺の基幹病院の多くも、同機を導入しています
Abbott社のID NOW コンパクトで場所をとらない。軽くて持ち運べる。場合によっては、施設や患者さん宅にも持参可能。 試薬も一つにまとめられているので、保管も楽。廃棄も簡単。 この近辺の基幹病院の多くも、同機を導入しています


1年間の実績 294人のPCR検査実施

この一年で、のべ294人にPCRしました。 未就学児から、最高齢92歳まで。 第5波、6波の流行中には、毎日何十件という検査を引き受けた診療所もあるででしょうが、 野村医院は、一般の診療や、訪問診療も普段通り行いながらですので、それほど多人数の検査を実施することはできません。 それでも、当院の診療日数は、年間約200日ですから、毎日1.5件くらいのPCRをこなしていた計算になります。 山添村の実質的人口は約3,000人ですから、一年間に村民10人に一人がPCR検査を野村医院で受けたことになります。 導入当初はPCR受けるのを憚る人も多かったけど、今は、誰もが当然のように受けてくださいます。 私自身の診療スタイルも随分変わってしまいました。本当なら、こんなことより、診察室で患者さんをお待ちして、ゆっくり診察したいです。 (アイキャッチ画像には、ブルーとオレンジの奇妙な形をした容器が沢山ありますが、これは、使い終わったPCRの試薬の残骸です。)

オミクロン流行が、村内にも波及・・・

この一年間を、 オミクロン株が流行るまでの前半(PCR導入~2021年末、約9か月)と オミクロンが始まった後半(2021年始め〜3月6日までの約3か月)までに分けて、 比べてみると、全く対照的な状態が明らかになりました。

つまり、前半は100人検査しても3名の陽性(感染)しかなかったのですが、今年に入ってオミクロン株が流行し始めた後半は、5人に一人が陽性になっているのです。 前半は、海外旅行前後の検査や村外(奈良市や郡山市など)の人も含まれていますが、後半は試薬が欠乏する恐れがあったため、山添村民と近隣町村(旧月ケ瀬村・都祁村・水間・柳生など)住民限定の数字です。 山添村が発表している患者数を見ると、当院の動向と似ていることが分かります。 (村内感染者数は、累計39人(2022年3月11日現在)ですから、発症者の60%以上が、当院で診断されたことになります。) 大和高原の一角・山添村にも、確実にコロナ感染が広まっていることを如実に示しています。 それでも、感染した患者さん達にお聞きすると、おそらく、村外で感染したと考えられる人がほとんどです。 奈良市や大阪などに出かけて、残念ながら感染したという例が多いです(孫に会いに行ったとか、レストランに行ったとか)。 村内のご近所同士で感染したとか、村内の職場で感染したと考えられるケースは、ほとんど見受けられません。


これからの野村医院のコロナ対策

ワクチン業務

山添村のコロナワクチン接種率は、全国の市町村の中でも有数の高さを誇っています。 昨年4月から始まった村の集団接種業務には、野村医院も全面的に協力して任務を分担してきました。 村内ではクラスターや大きな集団での発生は報告されていませんし、コロナ感染で亡くなった方がない(2022年3月11日現在)のも、このようなワクチン接種率や村民の意識の高さと関係があるかもしれません。 もうひとつ特筆すべきことがあります。 山添村の集団接種は、「われらはふるさと医療応援団」というNPO法人の支援を受けて、恵まれた環境で接種業務が行われているということです。 私がこのNPO法人理事長・平出敦先生と以前からお付き合いを賜っていたことから、昨年4月の集団接種業務の開始と共に、医師・薬剤師・看護師・救命救急士を毎回派遣して下さるようになったのです。 おかげで、私たち野村医院のスタッフはどれだけ助けていただいているか! その恩恵は言葉には表せないくらいです。 大袈裟に聞こえるかもしれませんが、

『山添村の集団接種会場は日本一安全な接種環境にある』

と言えましょう。 第一回・二回の集団接種が完了した昨年9月19日、山添村からこのNPOに感謝状が贈られたのは、そのような経緯からです。

今年2月末から始まっている第三回の集団接種業務にも、「われらはふるさと医療応援団」の方々がしっかりサポートしてくださっています。 野村医院は、小児のワクチン接種業務からは離れますが、もし第4回のワクチン接種が始まれば、積極的に国の方針に基づいて行動していくつもりです。

院内感染対策

PCR装置だけが、当院の感染対策ではありません。 ・発熱テントを利用し徹底した導線の分離 ・換気装置の導入 ・24時間オゾン処理(下記の写真 上2枚) ・職員の衛生・感染防護教育 ・衛生管理を徹底したスリッパ管理(夜間に紫外線処理、週末の日光消毒、下記写真 下2枚)などを実施して、 皆様に安全に安心して野村医院をご利用いただけるようにこれからも努めていきます。

コロナウィルスとの闘いは、まだ緒に就いたばかりという認識です。 コロナを正しく理解して、正しく防御して、これからも変化していく状況に、臨機応変に対策を講じていきたいです。 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

bottom of page